【究極のレベルアップ】テニスの上達に必要なのは、ルーティンだった。
もっとミスをなくしたい、集中力を高めたい、試合で勝ちたい、そう思ったことはありませんか?
テニスを追及していくと、誰もがそう思いますよね。
では、あなたはルーティンを知っていますか?
スポーツにおけるルーティンといえば・・・。
あの人を思い出します。
そう、日本が誇る大スター、イチロー選手のバッティング前のルーティンです。
すぐにものまね出来そうで、構えているシーンを思い浮かべることができますよね?
また、最近活躍された五郎丸選手の、有名なポーズもキックの前のルーティンです。
今回は、あなたのテニスを変える2つのルーティンをご紹介します。
意識的にルーティンを取り入れることで、あなたのテニスが変わります。
Contents
ルーティンとは何か?
ルーティンを理解しよう
ルーティンとは?
ルーチン (routine)とは、決まり切った手続きや仕事の事。日課。定常処理。
出典ルーチン – Wikipedia
「ルーティン」数年前から一般的に耳にするようになり、今ではスポーツ、ビジネス、日常生活などルーティンに関する、研究や著書がたくさん出回っています。
イメージとしては繰り返しの動作や、決め事を作る。
などが思い当たりますが・・・。
「スポーツにおけるルーティンとはどのようなものなのでしょうか?」
五郎丸選手を題材にした本によると、五郎丸選手は、「プレ・パフォーマンス・ルーティーン」という一連の動作を行っているといいます。
そのポイントは、動作の全てが細かく決まっていることで、決めたことを正確に行うことのみだそうです。
その動作の最中、なんと彼の意識はボールを蹴ることにはなく、動作をもれなく、正確に行うことにしかないといいます。
試合中、技術的なことや、戦略、はたまた相手のことなど、様々な思考が飛び交ってしまいますが、そういった邪念を振り払うためにも、「プレ・パフォーマンス・ルーティン」=決めた動作を確実に行う、ことが出来れば、それに続くパフォーマンスは高い確率で成功するそうです。
つまり、テニスにおけるルーティン動作は、心理的な乱れをなくして、メンタルをコントロールしパフォーマンスに良い影響を与えることが出来るといえます。
出典:ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」荒木 香織 著 (講談社)
1つ目―ミスがなくなる、技術的ルーティン
技術的ルーチン①サーブ編(トス前動作)
以前の記事でも書いたように、
サーブは自分から始められる、唯一のショットです。
したがって、ゲームの流れを左右する、最初のポイントであり、主導権を握ることも可能です。
そのサーブ動作において、ミスなくエースや攻められるサーブを打つためには、動作に一定のルールを設ける必要があります。
言い換えると、テニスは動きのあるスポーツですので、サーブがもっとも自分なりのルーティン動作を組み込めるショットだといえます。
それが、サーブ前動作のルーティンです。
まずは、最も簡単な、打つ前のタイミングを一定にしていきましょう。
あなたは、「サーブを打つ前に何回ボールをついていますか?」
もし、その回数が決まっていないならば、そこから始めましょう。
【シャラポワ選手】ボールを突く回数は2回
シャラポワのサーブに注目!「打つ前に突くボールの回数は必ず2回」
マリア・シャラポワ選手のサーブに注目してみましょう。
上記2つの動画は練習中と試合中のシャラポワ選手の動画です。
2つの動画が撮影されたのは、試合編が2007年、練習の動画が2011年と4年後の動画です。
しかし彼女のサーブ前動作、「ボールをつく回数は2回。」と変わらないようです。
そして、構えてからボールをついて、
打つまでの秒数は…おおよそ7秒!
秒数もぴったり一緒でした。
つまり、サーブ前の「ボールつき回数を決める」だけで、おのずとサーブにかかる時間が定まり、体が覚えやすくなるのです。
ボールをつく回数にばらつきがあれば、体は、スタートと終わりを認識できなくなってきます。些細なことのようですが、毎回毎回打つ前のタイミングが変われば、「それだけ迷いが増える」というものです。
ちなみに、つく回数は好きな数でOK。自分にあった、タイミングを見つけてください。
大切なのは、同じ動作を繰り返す、ルーティンをつくるということです。
技術的ルーチン②リターン編(リターン前動作)
リターンにも、ルーティン動作があることをご存知でしょうか?
リターンは、相手の打つサーブによって、構えるポジションが変動します。
しかし、動き始める動作は、相手によって変えることはありません。
どの選手も、リターンを受ける前のスプリットステップにそれぞれのパターンが見られます。
【錦織圭選手】左足前の構えからのリターン
錦織 圭のスーパーリターンはルーティンから始まる
こちらの動画は錦織圭選手のリターン動作です。
まず注目して頂きたいのは、最初の構え方です。
錦織選手は、左足を前にして、右足を後ろに引いた構えが特徴的です。
この構えの後、一度更に左足を踏み込み、今度は右足を前へ、その勢いを使って更に両足でスプリットステップをしています。
動画、52秒部分から始まる、バックハンドのリターンにおいても、左足前の構えから始まっています。
このように、どちらかの足を軸に、最初の構えを作ってもいいですし、両足を程よく広げて構える方法もあります。
正解はありませんが、リターン前の最初の動作を決めて、その後のステップ動作も同じスタイルに決めておくことで、リターンのルーティンが出来上がります。
相手のサーブによって、速度や球種がまったく異なるリターンこそ、「自分のペースをまずは整える」ルーティン動作を習得しましょう。
2つ目―メンタルを強化できる、精神的ルーティン
次に、ほとんどのプロが取り入れている、実際にボールを打つ以外のルーティン動作についてです。
試合中、あなたには「何か決められた動作があるでしょうか?」
筆者は、試合中タオルをコートの後方に置いて、ポイント間に汗をぬぐっていました。
実はこれもルーティンで、汗を拭く必要がなくても、必ずタオルを手に取ることで、気持ちをリセットしてポイントに臨めるようになりました。
また、ゲームの終盤に入ったら、チェンジコートの際には、バナナを一口食べる、ファイナルセットに入った時は、トイレットブレークに行く、ファイナルセット終盤は炭酸飲料を飲む。
などなど、自分なりの決め事がありました、昔は、げんを担ぐと言われていた行為ですが、
今考えると、勝っても負けても続けていたことなので、決め事としてのルーティンの要素が強かったように思います。
下記動画は、ビック4の1人、ラファエル・ナダルのルーティン動作です。
かなり細かく決められているので、注目です。
【ナダル選手】絶対に欠かさない4つの動作
ナダルのコートチェンジ、たくさんの儀式に注目
ご覧戴いたように、「もはや儀式?」と言っていいほど狂いなく正確に毎回同じ動作をしています。
わかりにくかった方に文章で・・・
・ナダルの決め事① ペットボトルのラベルの向きをそろえて置く。
・ナダルの決め事② コートのラインを踏まない。
・ナダルの決め事③ 靴下の位置を確認。
・ナダルの決め事④ ズボンの御尻部分を下に引っ張って確認。
このようになっています。
同じことを繰り返すことで、試合中のこころの乱れを最小限にしようとしており、
相手に左右されない自分なりのリズムが出来ているようです。
【錦織圭選手】ポイント間のタオルの使い方
気持ちをリセットする、錦織圭の「タオル ルーティン」
最後に、前述したように、私も用いていた方法ですが、錦織選手も頻繁にタオルを使用していました。
おなじみの光景ですが、ポイント間のタオルを使用するルーティン、筆者には、良いポイントの後は興奮を抑え、落とした際は切り替えるため・・・というように気持ちのリセットを感じます。
ただし、このルーティン試合が始まったばかりでは、あまり使っていないようです。
ですから、「このぐらいの場面になったら・・・や、緊張を自分で感じたら・・・」など、自分なりのルーティン開始ポイントも定めておくといいかもしれません。
そのポイントを設けることも、一つのルーティンにしてしまいましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ルーティンと聞けば、思い当たることはあるものの、実際に自分のテニスに当てはめるとあまり実践出来てないというのが現状ではないでしょうか?
ルーティン動作は、一見すると、スウィングと関連性が少ないように感じますが、
サーブやリターンなど、試合を進める上で重要な要素を担っています。
そして、ルーティン動作は、自分で決められ、習慣化すればよいので、誰でも簡単に取り入れやすい方法だといえます。
特に簡単なのは、今回も最初に書いたサーブ前のボール付の回数を決めることです。
練習でもすぐに始められるので、定まっていない方は是非、挑戦してみてください。