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スクールでは教わらない!「ショット別」スプリットステップの秘訣

 2016/10/14 レベルアップ
この記事は約 12 分で読めます。 25,031 Views

ゲーム形式の中で、ラリーをしていて、

「このボールなら追いつける!」と思ったボールに触れなかった時、あなたは…

 

「年齢的に衰えているからだ・・・」「自分の足が遅いから・・・」とボールに追いつけなかった理由を、年齢や体力のせいにしていませんか??

 

さらには、スクールのコーチに「フットワークが大事、フットワークを意識していきましょう。」と言われても、何となく聞き流すだけ。フットワークは大切だと、わかってはいるけど、「そんなに簡単にフットワークを改善できるはずはない・・・」と諦めていませんか?

 

もし、あなたが「フットワーク=早く走ること」と考えているなら、それは間違いです。フットワークは年齢、体力関係なく、改善することができますので、絶対に諦めないでください。

 

そして、これからご説明する、スプリットステップさえマスターできれば、フットワークは簡単に改善されます。

 

過去に、私も、ずっとフットワークに悩んでいて、何度もフットワークの悪さを指摘されたことがありました。

 

しかし、スプリットステップをマスターすることで、今まで勝てなかった相手に勝てたり、長時間の試合でもスタミナが持ったり、自分のプレーが変わっていくのを実感できました。

 

大切なことなので、是非マスターしてください。

 

スプリットステップとは何か?

スプリットステップを理解しよう

 

とっても簡単、スプリットステップの正しい飛び方

まずは、基本からおさらいです。

スプリットステップとは何か?両足は肩幅に開いて、上にジャンプすることです。

 

至ってシンプル、簡単なことです。

言い換えれば、「出来ない人はいません。」

 

そして、何故スプリットステップをするのかというと

 

スプリットステップをすることで、左右前後とどちらでも、動きやすくなるのです。

ジャンプすることで、体をリセットし、偏っていた重心を中心に戻すことが出来ます。

 

例えば、地面に両足が「べったり」とついたまま、左右に一歩踏み出すのと、

ジャンプした勢いを利用して、一歩踏み出すのではどちらが、簡単でしょう?

 

答えは後者で、軽くジャンプした勢いで、地面の反発を利用することが出来ます。

 

ここで、もう一つ重要なのが、

「つま先からの着地を心がける」ことです。

 

その理由は、重心を前方に置き一歩前に踏み込みやすくするためです。

 

【錦織圭】つま先からの着地で次の一歩が変わる

 

split 

写真は、錦織選手のスプリットステップを切り取ったものです。

踵も最終的には着地しますが、先に踵がつくようではいけません。

 

着地が重要!!つま先重心で着地のスプリットステップ

踵から着地してしまうと、後ろにのった体重を再び前に移す動作が必要となり、1テンポ遅れが出てしまいます。この遅れが「フットワークが悪い。」につながるのです。

 

これができなきゃ、始まらない。ボレーのスプリットステップ

最も簡単ボレーのスプリットステップ

次は、スプリットステップの動きがとりやすい、ボレーについて考えていきましょう。

 

ボレーのスプリットステップは最も簡単です。その理由はスプリットステップ後すぐにボールが飛んでくるので、タイミングがとりやすいのです。

 

まずは、基本の動き、スプリットステップ後、右足左足を踏み込むフォアーハンドボレー(右利き)スプリットステップ後左足、右足を踏み込むバックハンドボレー(右利き)の動きです。

 

ボレーの基本フットワーク

この動きは、テニススクールでも必ず習う基本の動きなので、マスターが必要です。

 

ボレーのように、相手からの距離が短く、反射神経が必要とされる場合は、特にスプリットステップが重要です。

 

両足が地面についている状態では、反応が出来ません。

 

筆者も指導する際、必ず取り入れるのが、「スプリットステップ右左」「スプリットステップ左右」とリズムをつけて音とともに覚えてもらう方法です。

 

コーチがボール出しの際、声をかけてあげて、動きやすくします。

 

それを体が自然に出来るよう癖をつけていきたいのです。こうした工夫をしながら、まずはボレーの基本スプリットステップをマスターしましょう。

 

【フェデラー】スクールでは教わらない1・5回のスプリットステップの秘密

次に、上級者編、もしくは、ボレーのスプリットステップがうまくいかない方に裏技的なスプリットステップのご紹介です。

 

ボレーのスプリットステップが簡単なのは、すぐにボールが飛んでくるため、歩幅があわせやすい、タイミングがとりやすいということです。

 

つまり言い換えると、スプリットステップ後ボールまでの距離が長い、ボールが飛んでくるまでの時間があるとなどすると、タイミングがずれて、フットワークが滞ってしまうのです。

 

そんな方にお勧めしたいのが、「スプリットステップ1・5回」です。

 

一瞬の出来事でわかりにくいと思いますが、ロジャー・フェデラーのボレー練習時のスプリットステップ動画再生16秒あたりで、ただ真上に1ステップするのではなく、はじめに右足でジャンプ、その後左足着地と時間差があることにお気づきでしょうか?

 

これは、ワンステップのスプリットステップ(その場で上に飛ぶだけ)に比べると05ステップ時間がかかっていることになります。

 

スプリットステップを取り入れる過程で、「ジャンプしたけれど・・・タイミングが合わない。」という経験はありませんか?

 

スクールでは大抵、1回のみのスプリットステップを教わりますが、そんな時は、1・5回更に時間があるならば、その場で2回スプリットステップを入れてもいいのです。

 

フェデラーのように、1・5にする場合は、両足ジャンプではなく、片足ずつの踏み切りにするだけで、ボレーのタイミングが合いやすくなります。

 

この裏技スプリットステップをマスターすれば、フェデラーのように、滑らかなフットワークのボレーが打てるようになります。

 

コートを自在に動き回れるようになる、ストロークのスプリットステップ

【錦織 圭】の予測スプリットステップで無敵のフットワーク

foot

次はレベルアップの要となる、ストロークでのスプリットステップをみていきましょう。

 

まず、ラリーが続いてくると、左右、前後に走ることに囚われ、ほとんどの方がスプリットステップ自体していないことが多いのです。

 

可能ならば、下記動画のように、ご自分のフットワークを一度、映像に録画してみてください。

 

そこで、スプリットステップをしているか、まずは確認しましょう。

 

そして、動画は錦織 圭選手のフットワークですが、コートの一番端まで相手に追い込まれたショットを取った後にも、スプリットステップをしています。

 

その理由は「相手が打つ瞬間相手をよく見るため」です。

 

ここをおろそかにして、オープンコートが出来ているのを気にして戻ることだけに意識を持っていくと、スプリットステップがなくなってしまいます。

 

大前提として、窮地に追い込まれていても、相手が打つ瞬間はスプリットステップで相手のショットを見極めることが必要です。

 

「そんな余裕がない」と思われるかもしれませんが、実は逆で相手を見るためのスプリットステップを入れた方が、予測が出来て早くボールに追いつくことが出来るのです。

 

ジャンプしている、上空で見極める。予測のスプリットステップ

動画9秒から始まる錦織選手のスプリットステップに注目してください。

 

フェデラーの1・5スプリットステップのように、着地する時、両足ではなく、右足から着地しています。

 

更に、右足は次の動きの方向へ向いています。

 

つまり、錦織選手はスプリットステップを飛んで、その飛んでいる上空で相手のコースを見極め予測をたてて、着地をしたのです。

 

これにより、次のショットに移行する速度を速めています。これが、良いフットワークにつながる重要なポイントです。

 

スプリットステップをすることで、相手を見て予測をたて動き始める。守備、攻撃ともに、フットワークの幅が広がるのです。

 

いかに良いリターンを返せるかで、勝敗を分ける、リターンのスプリットステップ

 

リターン専用、前方ジャンプ方スプリットステップをマスターしよう

リターンについては、ルーティン動作に関する記事でも触れましたが、

【究極のレベルアップ】テニスの上達に必要なのは、ルーティンだった。

リターン専用スプリットステップのマスターが上達には欠かせません。

 

まずは、相手のサーブにタイミングが合わないなど、スプリットステップがうまく出来ていない人は、リターンを打つことではなく、リターンの際にスプリットステップをすることに集中してください。

 

そして、リターンは打つ・振るというイメージではなく、ボールに体を合わせていくようなイメージを持ってください。

 

そして、ここで、リターン専用のスプリットステップと書いてあるように、リターンの際はなるべく、その場で上方向に飛ぶのではなく、下記の動画のように、前方にジャンプして、着地点は最初の位置より前に来るようにしてください。

 

筆者の、教えている生徒さんで、リターンが苦手な人は、スプリットステップがまったくないか、あっても真上に(最初に習う基本のスプリットステップを真面目にやっている人)が多いです。

 

しかし、リターン(相手のファーストサービスのリターン)に関してはラケットのスウィングで返球するイメージよりも、自分の体をボールに向かわせていき、ボクシングのカウンターのようにミートさせることが重要なのです。

 

その為に、動画のようにスプリットステップを前方にしてその勢いを使ってボレーのようにコンパクトにリターンを返球してみましょう。

 

この前方にジャンプすることが出来るようになれば、リターンの精度が増して、ミスも減らせる。なおかつ、カウンターパンチのようなリターンエースが取れるようになります。

 

難しいのはセカンドサーブ?!ゆるゆるボールにお勧めのスプリットステップ

 

最後に、リターンでは速度の速いボールは返しやすいものの、速度の遅いゆるゆるサーブにタイミングを狂わされて、うまく返球出来ない、セカンドサーブの方が苦手・・・という方に、セカンドサーブ用のスプリットステップを伝授します。

 

こちらも実は、ロジャーフェデラーのボレー上級者スプリットステップと似ています。

 

まず、スプリットステップは、相手を見るため、初動をすばやくするためと再三お伝えしていますが、逆にボールがくるまでに時間がある場合は、その時間を有効に使わないといけません。

 

「有効=少しでも前につめること」だと私は思っています。

 

テニスの勝敗を左右するには、相手をコートの後ろへ追いやり、自分がコートの中でプレーすることが重要です。

 

そのためにも、滞空時間の長いボールならば、ポジションを少しでも前へ移動させましょう。

 

しかし、ここで難しいのが、両足でスプリットステップを前方にして、ポジションを前に移せたのに、それでもまだ余裕がある時です。

 

実際、スクールのレッスンを見ているとこういった場面をよくみかけます。

 

待ちきれず、振り急ぐ・・・なんて言葉で表現しますが、こんな状況の時は両足で飛んでしまうと、その次の足が一歩か2歩程度しか、踏み出せないので

 

下記動画のように、歩くような片足ずつのスプリットステップを取り入れてみましょう。

 

これは、一見するとスプリットステップではないように見えますが、ただ前方に詰めているだけではありません。

 

片足ずつジャンプすることで、前に進む動きと反動を使って勢いをつけています。

 

そして、飛んでこないボールにぎりぎりまで詰め寄れるよう、歩幅の調整作用も担っているのです。

 

このように、スクールで教えてくれる、基本の真上に飛ぶスプリットステップ以外の変形スプリットステップをプロは使いこなしています。

 

まとめ 結論

いかがだったでしょうか?今回は、それぞれの場面に応じたスプリットステップをご紹介させて頂きました。

 

なんとなく、漠然としたイメージを抱いていた方は、是非、明日の練習から実行してみてください。

 

スプリットステップと聞けば、テニスを始めた最初に習うジャンプで、誰もが知っていることですが、実際のコートの中では、その用途に合わせてすこしずつ変化させる必要があるのです。

 

それを、指導者が「フットワークが悪い」と一言で済ませてしまうことが多いので、「もっと、早く走るには?!どうしたらいいんだろう?!」と躍起になっている方をたくさん見てきました。「今出来ることで、やってないこと」は意外にも多いはずです。

 

スプリットステップは、最初は意識的に行わないと出来ないので、ボールを打つことがおろそかになり、テニスの爽快感を感じられないなど・・おもしろくない時期があるかもしれません。

 

しかし、続けていくことで、コート上での守備範囲、攻撃範囲ともに、広がり、まるで体が軽くなったような、足が速くなったように感じられるはずです。

 

そのためには、やみくもにジャンプするスプリットステップではなく、相手の球種と自分のポジションなどをしっかり見極め、場面に沿ったスプリットステップをマスターしてください。

 

今より、一段階上を目指す方に、どうしても避けては通れない道です。そして逆に、簡単に上達できる方法でもあります。

どうぞ、試してみてください。

そして、自由自在に動けるフットワークを手に入れてください。

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ライター紹介 ライター一覧

AIKO KASUMI愛甲霞

AIKO KASUMI愛甲霞

元プロテニスプレーヤー
横浜国立大学 教育学研究科 教育学修士 スポーツキャリアカウンセラー

東京都出身、6歳からテニスを始め、青山学院大学卒業後プロに転向、国内及び海外ツアーを転戦、自己最高国内ランキング30位、世界ランキング600位。
引退後、大学院にて健康スポーツ学を学ぶ。現在は指導の傍ら、選手マネージメントに携わり、スポーツ選手のキャリア支援を行っている。
その他、テニス雑誌での連載や、メディア出演など活動中。

ホームページアドレス
https://aiko-kasumi.net/
オフィシャルブログ
https://labola.jp/aikokasumi

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