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【とにかく威力のあるボールを打ちたい人必見】ショットのスピードをアップする簡単な2つの方法 その2

 2017/03/02 パワーショット
この記事は約 24 分で読めます。 54,000 Views

前回の記事からの続きになります。前回、その1では軸の意識についてお話しました。

まだ読んでない方は、先にこちらから読んでみて下さい。

=前回のまとめ=

■軸を作るために重要なポイント■

①バランスを意識する。

②バランスのために、頭部を動かさない。

③頭部の固定のためにボールを凝視する

このような注意点がありました。

上半身に関しては、このチェックポイントでOK、体に軸をつくることがまずは重要です。

そして、軸を作ることができたら、今回のテーマである下半身の使い方をマスターしましょう。

スピードアップの簡単な方法その2地面を蹴って反発力を生み出す

「運動連鎖」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

人体はいくつもの関節で出来ており、運動を始めると別々の関節がお互いに作用して動き始めます。

そこで、ボールに最大の力を加えるために、複数の関節にたくみに、力を伝えて連鎖させていくことが必要になります。

イメージは「ムチ」です。

鞭

「ムチ」は握り手部分が太く、先にいくにしたがって細くなっています。そして、鞭を振った時、一番スピードが速い部分が先端部なのです。

これが、パワーを、持ち手部分(軸になるところ)から先端まで、連鎖させて伝える方法です。

つまり、テニスにおける運動連鎖のイメージとして、中心で生み出したパワーを末端まで運ぶという「鞭」に似た体の使い方が求められます。

そして、当然ながらパワーを生み出すためには、体にあるもっとも力の強い部分を使うべきです。

それが下半身。特に、太ももや臀部の力をボールに伝えることが出来れば、確実にスピードアップできるのです。言い換えると、全ての人が、自分のもっている下半身の力を、ボールにうまく伝えられていません。

下半身がうまく使えていない人の特徴は、

  • 膝が曲がっていない
  • スタンスが狭い
  • 地面の反発が使えていない

この3点です。

当てはまっていると思う方は、改善することで、必ずショットのスピードがアップします。

ポイントの解説は、二人のやり取りからご覧ください。

【鬼コーチと生徒】簡単スピードアップのコツ 前回からの続き

【登場人物】

■コーチ
男性ベテラン鬼コーチ、コーチ業を始める前は、プロとして活動、タイトルをいくつも持っている。

■生徒
テニス暦7年、24歳男性、高校からテニスを始め、大学ではテニスサークルに入る。社会人になり、テニススクールに通い始める。テニススクールで出会った彼女と交際中。草トーナメントにも出場し始め更なるレベルアップを目指している。

スピードアップのためのポイントの続き…

生徒
コーチ!前回教わった、ボールをしっかり見ること、実践してます。おかげで、以前はぼやけてた視界に、しっかりボールが確認できるようになってきました!

でも、ショットの威力が増したようには感じないんですよね。早く2つ目のポイントを教えてください!

コーチ
よしよし、真面目に練習しているようだな。ボールを見ることは基本中の基本、もちろんボールをよく見ただけでは、スピードはアップしない!

ボールを見る。軸を作る。これらは基礎だ。しっかりとした基礎を身に着けたら、いよいよ、スピードボールを打つコツを教えよう。

■スピードボールを打つ為のポイント1つ目

スタンスの幅が狭すぎたり、広すぎたりしないか確認

・確認の方法は、重いものを動かしてみる

自分にあったスタンスを見つける

あなたに合ったスタンス幅はどのぐらい?

コーチ
まずは、普段の自分のスタンスを確認することから始めよう。

ボールを打つポジションに入った時、どれぐらいのスタンスで打とうとしているかね?

生徒
はい!ええっと・・・。

肩幅より少し広いくらいかなあ・・・。

コーチ
うむ。

君のスタンスはどうやら、少し狭いようだね。

生徒
そうなんですね。

あまり、意識したことがなかったけれど、狭いのかもしれません。じゃあ、早速広げます!

コーチ
まてまて!広い、狭いと言っても、一概には言えない。

自分にあったスタンスを見つけなければいけないのだ。

自分にあったスタンスを見つけるために、メディスンボールを投げてみる。

生徒
自分にあった?・・・・

どうやるんでしょう?

コーチ
方法はいくつかあるぞ。

例えば、メディスンボール(重さのあるボール)を知ってるな?最近ではスクールに一つぐらいはあるだろう。

メディスンボールをより遠くまで飛ばしてみるんだ。 人は、負荷がかかると、最も力を発揮出来る体制を整える。

つまり、適切なスタンスや、体の使い方が出来ないと、腕の力だけでは重いボールは投げられないんだ。

生徒
なるほど!

それが理想のスタンスなんですね!

コーチ
そうだ。他にも重たい引き戸を開けてみるとか、強い力を発揮しようとした時のスタンスが君にとって、最も良いスタンスの幅なんだ。
生徒
わかりました。やってみます!
■スピードボールを打つ為のポイント2つ目

・膝を曲げること
・曲げるタイミングを意識すれば変わる

生徒
次のポイントは何ですか?
コーチ
次は膝を曲げること。

君の場合はスタンスが狭かったから、膝が曲がりにくかった。

生徒
なるほど、そうかもしれないです。

でも、ボールのとろこまで走っていくので、膝を曲げるのって、なかなか難しいです・・・。

コーチ
そのとおりだ。

膝が曲がっていない人の(突っ立っている人の)特徴がある。

みな、ボールを打つ直前に膝を曲げようと考えているらしい。

ヒザを曲げるタイミングとは。

生徒

違うんですか?

コーチ
それでは、間に合わないのだ。一度、上に上げてしまった重心を下げるのは難しい。

走っていって、それまで高い位置にあった、重心を下げるのは一苦労だ。

生徒
ええっと・・・。

じゃあ、ずっと曲げてるんですか?

コーチ

そうだ。

生徒

そんな~無茶ですよ!

ヒザを伸ばしきらないだけで、準備が早くなる

コーチ
ずっと曲げていると考えるときついように感じるが、

ずっと直角にまげている・・ではなく、なるべく膝を伸ばしきらないことがポイントだ。
膝は曲げようと思って曲げると間に合わない。そして、伸ばしきった膝を曲げると、頭が動いて軸がぶれる。

よく見る光景で、ラリー中でも真っ直ぐ立っているプレーヤーがいる。テニスコートの中では常に屈んでいるような姿勢を作らなければいけない。

そう意識するだけで、自然と膝は曲がっているんだ。そして、準備が早くなるメリットもあるぞ。

生徒
なるほど、なんとなくでもいいから、重心をさげておくんですね!

僕、なんとなく~は得意なんですよ。低めに意識するだけでも変わりそうですもんね!

■スピードボールを打つ為のポイント3つ目

・地面の反発を利用する。
・陸上のクラウチングスタートの要領
・体重を移動させることでパワーを生み出す
・ジャンプしながら打つ

脚でパワーを生み出し、それをボールに乗せるためには?

コーチ
最後はいよいよ、脚力の発揮方法だ。

ここまでの、軸の意識・低い重心は、全て脚のパワーをフルに使う準備なんだ。

生徒
はい!待ってました!
コーチ
脚力を発揮し、ボールに力を伝える方法

それは、踏み込み足(クローズスタンスの場合)と逆の足(オープンスタンスの場合は踏み込み足)で地面を蹴ることだ!

生徒
コーチ!全然わかりません・・・・。

ヒントは100メートル走にあった!?

コーチ
そうだな・・・。まずは、理論から考えてみよう。

陸上競技、100メートル走のスタート、選手はスターティングブロックと呼ばれる器具に足をセットしているだろう。

スターテイングブロック

生徒
はい!そうですね!

コーチ
スターティングブロックは、クラウチングスタートをするために使われるのだが、クラウチングスタートをする時、あのブロックがなかったら・・・うまくスタートがきれないんだ。
生徒
コーチ、そりゃあそうですよ。

ブロックがなければ、一歩目が出ないです。蹴って反動つけてるんだから~。ん・・・?蹴って?!

コーチ
そうなんだ、スタート時、前方に最も早く進むためには、足でブロックを蹴って、反動を使う。

これが、一瞬でパワーを発揮するコツなのだ。

生徒
確かに、ためた力を爆発させられる感じがします。
コーチ
そのとおり。だから、同じ原理で、ストロークを打つ時も、曲げた膝を伸ばす時、足の裏で地面を蹴るんだ。
生徒
なるほど、今まで、膝を曲げたら上に伸びる・・と思っていました。

それに、パワーを生み出すには、体を早く回転させるのかと・・・。

コーチ
そうだな、結果的には、テニスのスイングは回転運動だ。だから回っているし、そう見える。

しかし、力を生み出すには足の裏で地面を蹴って、その勢いをボールに伝えなければいけない

生徒
わかりました・・・。でもまたややこしくなってきましたね。

右足で地面を蹴って、左足に重心を移す。

コーチ
確かに、言葉で説明すると難しく感じるな。地面を蹴って、その力を使うには、少しコツもいるだろう。

考え方のポイントとして、パワーを伝える。パワー=体重だと思って欲しい。その体重を使ってボールに力を加える。

例えば右ききの人のフォアーハンドの場合(クローズスタンス)踏み込み足は左足。

しっかりと低い重心で力をためる。この時、体重は両足にかかっている。踏み込んでいない、右足で一気に地面を蹴るんだ。

そのままインパクトに。蹴った勢いで体重は踏み込み足の左足にかかる。(体重=パワーを地面の反発を使って前方に運ぶことが出来た証拠だ。)

うまく地面の反発が使えると、体重は軸足である踏み込み足にかかり、蹴った足は、力を発揮した後、地面から浮いていることもある。

生徒
余計わからないです・・・。

コーチ
つまり、左足を残して右足だけで地面を蹴る

生徒
ああ、それならなんとなくわかる!

右足で蹴って、左足に重心移す!

コーチ
おお・・・そんな簡単な表現もあるな・・・。

プロの選手になると、両足でジャンプしながら打てるようになる。エアーKもその打法だ。

エアーK

反発が強すぎて、思わず飛んでしまうというところだ。

イメージとしては、インパクトの位置に向かって体を移動させる。その為に地面を蹴って力をもらう。

繰り返しになるが、ひざを曲げる→重心を落とす。これが出来れば、自然と下半身に力が入って、反発力が生み出せるぞ!

生徒
地面の力をもらうんですね!イメージはつかめました!

早速練習してきます!

まとめ 結論

今回はスピードボールを打つための下半身の使い方についてお伝えしました。重要なことは、「反動」を使うということです。

トレーニングによる、筋力の向上は常に必要ですが、スピードをアップさせる一番の秘訣は、体の使い方を改善する方法です。

下半身の使い方をマスターし、自分の体重を一度地面にぶつけ、その反動で戻ってきたパワーをボールにぶつけるのです。言葉で説明するのは、難しいのですが、ぐらぐらしない足元が出来上がれば、地面の反動も使えていると思います。

表現の違いはあるものの、ご自身の脚が踏ん張れているか、まずは、確認してみてください。下半身なので、今のスウィングを変えることもなく、意識すれば、威力が変わります。

うまく使えていなかった人が、改善できれば、それだけで、3割はショットの威力が増すことをお約束致します。是非、試してみてください。

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ライター紹介 ライター一覧

テニスサプリ編集長

小さな頃からテニスの動画を見るのが好きな一般的なテニス愛好家。

◆経歴
中学校からテニスを始め、18歳の時に米国に渡り現地の大学のテニスチームに所属。卒業後も7-18歳の子どもたちに日本語/英語を使い分けてテニスを教える経験をする。帰国後はインターネット上でテニス上達に役立つ情報を提供に努めている。

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